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その8
[えー本日は、え〜本の話しです]


 どうも、ノミの心臓に毛が生えている大和田です。

 私たち劇団ザ・シャカリキは、活動を始めて10周年を迎えた。そこで今回は、私が思う演劇についての話しを一つ。

 ザ・シャカリキの目指す演劇。それは『絵本』である。絵本は、とある国・とある時代で生きる人々の物語が描かれていて、その一枚一枚の場面は美しく、楽しく、面白い。だが、異世界である絵本の物語であっても、そこで描かれている人々の心や、真理は現実世界と同じなのである。

 絵本を読み終えると、ちょっと旅行にでも出かけて帰って来たような気分になる。それと同時に、一つの経験を積んだような気にさえなる。いや、きっとそうなのだろう。

 絵本の主人公となって、物語を体験し自分の経験とする事ができたのだと思う。そういう意味では、絵本は一つの人生経験でさえあると思う。
 言葉だけで物事を伝えようとすると、理解は出来ても共感は難しい。絵本のように、何が描かれているのかを体験する事で、より想いが伝わってくる。

 例えば、『ぐりとぐら』なら、大きいオムレツを積極的につくっていこうではないか!といった熱い料理魂が伝わってくるし、問題作『ちびくろサンボ』では、虎をバターにする事を人生の目標にしていこう!という、科学的大発見を目的とした、科学者達の飽くなき挑戦心が垣間見える。また、日本昔話の代表作『桃太郎』でも、子どもができたら恥ずかしい歳にもなって出来ちゃった子だもんだから、まぁ桃から生まれた事にしとこうよ、という切ない気持ちがひしひしと感じられる・・・と思う。

 そんな名作の中で、私が一番好きな絵本。それが『百万回生きたネコ』だ。

 この絵本は、自分にとって数年分の人生経験を得られたと思っている。人生を全うするとは?生きるとは? そんな複雑な問いかけに、優しく答えられたような気分だった。
 それ以来私は、毎日の生活の中で、娯楽や芸術を楽しみ、事件事故を悲しみ、自分の感情や欲望と葛藤しながらも、『百万回生きたネコ』で感じた想いを追いかける事で、複雑な気分をシンプルに整理して過ごす事ができている。つまり迷いが少なくなり、素直になれた気がするのだ。

 しかしそうした力を持つのは、絵本だけではなく、絵画や音楽でも同じだと思うし、演劇だってその例外ではない。私たちのつくる演劇が、絵本の1シーンのように美しく、楽しく、ページをめくるようにドキドキし、そしてそれが舞台だけでなく客席にまで広がっていくよう心がけている。

 今回皆様には、『ICE』という“体験”をぜひとも楽しんで頂ければと思う。


(第11回公演 ICE パンフレットより)


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